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 「このコントローラーを動かすと回りますよ」

 昨年12月上旬、横浜赤レンガ倉庫(横浜市中区)近くの広場。晴れ渡った空の下、幅55センチ、全長98・5センチ、高さ74センチのコンパクトな電動車いすの操作を説明する男性がいた。後輪を軸にして半径76センチのコンパクトな円を描いて回転したかと思えば、路面のでこぼこを苦にすることなくスムーズに直進。すっきりしたデザインで動く姿は、「未来の乗り物」の雰囲気を醸し出している。

 この電動車いすを作ったのは、横浜市鶴見区に本社を置く「WHILL(ウィル)」。体の状態や年齢に関わらず「誰でも乗りたいと思える」ものを目指したという電動車いすは、機能性とユニークなデザインで知られる。

 説明役を担った男性は、ウィル社員の池田朋宏さん(41)。試乗した女性(30)が「感覚的に操作できます」と言うと、池田さんの顔に笑みがこぼれた。

 ウィルは、500メートルを超えて歩くことが困難な65歳以上が国内に1千万人以上いると推計。ほとんど歩けない障害者や高齢者を中心とした従来の車いす利用者に加え、そうした人々にも自社の電動車いすのニーズがあるとみている。昨年11~12月には横浜市のみなとみらい21地区で無料の試乗会を開き、障害者や高齢者に加えて障害のない人にも、観光・買い物などのために乗ってもらった。

 池田さんは10人の部下を率い、国内販売の最前線に立つ。「ウィル製品の普及は、他社も含め誰もが移動しやすい技術の開発を刺激する。その役に立ちたい」。意欲を燃やす背景には、脳性まひで体が不自由な娘(12)の存在がある。

 池田さんがウィルを知ったのは…

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