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 腹ばいで台車に乗り、両手で床を押して進む。途中で友達からラグビーボールを受け取り、そのまま穴にトライ――。

 昨年12月中旬、横浜市立東山田小(同市都筑区)の4年2組の27人は、こんな新スポーツ「トライ・トレイン」に挑戦していた。体育に苦手意識を持つという男児(10)は、「手でこいで進んでいくのが楽しかった」と笑顔を見せた。

 指導にあたるのは「横浜ゆるスポーツ協会」のメンバーで、市体育協会の青井純子・経営企画担当課長ら3人だ。

 「ゆるスポーツ」とは、年齢、性別、運動神経の程度にかかわらず、誰でも楽しめるように考案されたスポーツのこと。横浜ゆるスポーツ協会は、2016年にできた「世界ゆるスポーツ協会」の地域支部として17年7月に設立された。

 青井さんらは昨年6~12月、東山田小を含む横浜市内の五つの小学校を訪問し、「ゆるスポーツ体験プログラム」を実施。合計400人超の児童が「トライ・トレイン」や、弾力のあるボールを使った「やわらかバルーン送り」などを楽しんだ。青井さん自身、「こんなにニーズがあるとは」と驚くほど、現場からの引き合いは強い。

 このプログラムが人気なのは、新スポーツを体験できることに加え、「プラスα」の要素があるからだ。

 トライ・トレインの台車に腹ばいで乗った東山田小の児童たちは、続いて自由な姿勢で台車に乗った。その後、トライ・トレインを幼児や障害者がどうすればもっと楽しめるようになるか、6班に分かれて検討。90分の授業の終盤に、用紙にまとめて発表した。

 ゴール前に上から布を垂らせば、目が不自由でも「トライする地点に達した」とわかる。誰でもできるスポーツだと示すマークを掲げれば、参加しやすいのでは……。次々と意見が出た。

 青井さんは、今夏の東京パラリンピックが終わった後のことを強く意識する。「障害者とどうやったら野球を一緒にできるかを考える子が育って欲しい」と話した後、続けた。

 「東京パラでの盛り上がりを、単なる障害者スポーツのブームにしてはダメ。今年がゴールではない」(高野真吾)