拡大する写真・図版 ホンダの軽自動車「N―WGN」。電子制御パーキングブレーキの不具合で、9月から生産・出荷を停止している

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 ホンダは12日、生産を停止している新型の軽自動車「N―WGN(エヌワゴン)」9437台のリコール(回収・無償修理)を国土交通省に届け出た。駐車ブレーキが動かなくなったり、解除できなくなったりする可能性があるという。問題発覚当初は、生産停止前に売った車のリコールの必要はないとしていたが、修理が必要と判断した。

 国交省によると、対象となる車の製造期間は7月4日~8月30日。電子制御パーキングブレーキに不適切な部品が使われていたり、組み立てが不十分だったりすることが原因で、故障を示す警告灯が異常点灯する。その結果、駐車ブレーキがきかなくなったり、解除できなくなったりするという。こうした不具合が実際に322件あったが、事故につながったケースはなかったという。

 N―WGNは8月9日に発売されたが、ホンダの社内検査で9月2日に問題が発覚。生産や出荷を止め、原因究明や対策を検討してきた。同社広報は「検討を進めた結果、リコールが必要と判断するに至った」と説明している。生産再開は来年1月下旬を見込む。

 不具合が起きた電子制御パーキングブレーキは、主力小型車の「フィット」の新型にも採用予定だった。フィットでは急きょ別のメーカーの製品に変更するなどの対策を取ることになり、発売は当初の予定より3カ月遅れて来年2月にずれ込むなど影響が広がっている。

 相次ぐ問題は、ホンダの業績に影を落としている。N―WGNやフィットは、ホンダの中でも売れ筋の主力車種だ。生産停止や投入遅れが響き、11月には、2020年3月期の国内販売の見通しを、8月時点より5万5千台少ない64万5千台に見直した。両車種は販売店からも「かなり売れる車だ」と好評なだけに、傷ついたイメージなどの立て直しが急務だ。(森田岳穂)