荷物掛けベビーカー倒れる 乳幼児の事故5年で288件
ハンドルに荷物を掛けるなどしていてベビーカーが倒れ、乳幼児がけがをする事故が相次いでいる。乳幼児がベビーカーごと転倒したり、ベビーカーから転落したりして医療機関を受診した事故が、2014年4月~今年10月末に288件報告された。国民生活センターが12日、注意を呼びかけた。
シートベルトをしていなかった生後1カ月の男児が地面に落ち、外傷性くも膜下出血で7日間入院した例もあった。駐車場のスロープを下りていたところ、ハンドルに掛けていた荷物に引っ張られるようにベビーカーが手前に転倒した。
同センターがベビーカー7商品について調べたところ、いずれもハンドルに荷物を掛けないよう取り扱い説明書に記載があった。一方、ベビー用品店などでは、ハンドルに付ける荷物掛け用のフックが販売されている。4歳未満の子どもがいる男女1千人を対象に行ったアンケートでは、732人がハンドルにフックを付けていた。実際に転倒・転落を経験したことがある人は286人で、原因は「ハンドルや後付けしたフックの荷物」と答えた人が71%で最も多く、次いで「段差、傾斜、障害物」(21%)だった。
同センターは、子どもが小さく体重が軽い▽上り坂を通る▽段差や障害物を通る際に前輪を持ち上げる場合は特に注意が必要としている。担当者は、「子どもを乗せたら必ずシートベルトを装着してほしい」と話している。また、メーカーに対しては、ハンドルに荷物を掛けて使うことを想定したベビーカーの開発を検討するよう求めた。(野村杏実)