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東日本大震災での治療めぐる訴訟、遺族と病院側が和解

井上充昌
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 東日本大震災で被災した女性(当時95)が搬送先の石巻赤十字病院で死亡したことをめぐり、遺族が「十分な医療措置がなかった」として病院側に約3200万円の損害賠償を求めた訴訟は、仙台地裁で和解が成立した。原告側弁護士が12日発表した。病院を運営する日本赤十字社は遺族に哀悼の意を表明するほか、今後も災害発生時に適切な医療実現に尽力すると約束することになった。

 発表文によると、病院が搬送時に治療の優先度を決める「トリアージ」で、女性を最も軽い緑と判定したことについて、地裁は「女性の状態に関する明確な証拠は乏しい。判定の過失を立証することは容易ではない」と指摘した。一方、対処が必要と認識されないまま女性が亡くなったことを「厳粛に受け止めるべき」との認識を示し、十分な記録がなく遺族が事実経過を把握できずに「悲憤の思いを抱くことは十分理解できる」とした。

 遺族は「裁判所と病院側に一定の理解が得られたが、二度と同様の不幸が起こらないことを期待する」との考えを表明した。(井上充昌)