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 別の宗派の僧侶になりすまされて葬儀を執り行われたとして、福岡市の遺族4人が僧侶と葬儀会社を相手取り、慰謝料など計約600万円を求めて福岡地裁に提訴した。「なりすまされた僧侶に導師として読経をされ、多大な精神的苦痛を受けた」と訴えている。第1回口頭弁論が13日にあり、僧侶と葬儀会社側は請求の棄却を求めた。

 訴状によると、2017年5月、福岡県古賀市の女性が亡くなり、古賀市内で通夜、葬儀が営まれた。女性の夫の家は、浄土真宗のある宗派であり、葬儀会社にもその宗派の僧侶の手配を依頼。福岡市内の僧侶が読経した。

 しかし、その僧侶はその宗派の僧籍を失っており、別の宗派の僧侶だった。葬儀の場でも寺の名前を挙げて紹介されたが、その寺と僧侶は関係がなかった。過去に所属していたため、衣を持ち、葬儀の流れもわかっていたという。

 お布施も払っていたが、2年後に、本来遺族が望んでいた宗派の寺から「おわび」として遺族に連絡があり、発覚した。僧侶と葬儀会社は遺族に謝罪したという。遺族側の代理人弁護士は「やり直しがきかないことで、厳粛に執り行われるべきなのに……」と話す。

 葬儀会社側は「なりすましていたことは知らなかった」などと主張、僧侶側は「追って反論したい」としている。(角詠之)