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 時間がかかると言われてきた民事裁判の審理を半年以内に終わらせることを目指す新制度の導入を、法務省が来年2月の法制審議会(法相の諮問機関)に諮問する。13日に同省や最高裁が参加する有識者研究会が概要を報告書にまとめた。原告・被告の双方が希望した場合に限り、争点をあらかじめ絞り込んで素早く結論を出すようにする。2022年の民事訴訟法の改正を視野に入れている。

 民法学者や弁護士らも参加する研究会は昨年7月から、政府が進めている民事裁判の全面オンライン化に必要な法整備を検討してきた。ただ、短期間の審理が被告側に不利になるなどの懸念も示されており、導入の是非は法制審の議論に委ねられる。

 民事裁判は、提訴から判決まで数年かかるケースも少なくない。そこで、報告書では、提出できる主張書面は3通まで▽書面や証拠資料のオンラインでの提出を義務化▽調べる証拠を厳選する――などを提案している。企業間の紛争など、事前に争点が明確な場合の利用を想定している。

 最高裁のまとめでは、全ての民事裁判の提訴から判決や和解までの平均期間は9カ月。証人尋問をした場合は第1回口頭弁論から結審まで1年4カ月を要した(いずれも2018年)。終了時期を見通せないことが裁判をためらう理由になっているとの指摘があり、新制度は紛争を抱えた人が裁判を起こしやすくする環境づくりの側面もある。(北沢拓也)