【動画】国立競技場の内部が報道陣に公開された=遠藤雅彦、熊倉隆広、林敏行撮影
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 2020年東京五輪・パラリンピックの主会場となる国立競技場(東京都新宿区)の竣工(しゅんこう)式が15日、行われた。安倍晋三首相、東京都の小池百合子知事、橋本聖子五輪相、設計に携わった建築家の隈研吾さんらが出席した。午後には初めて内部が報道陣に公開された。

 一般向けの初のお披露目は21日のこけら落としイベントで、陸上の男子短距離で五輪3大会で八つの金メダルを獲得したウサイン・ボルトさんや、アイドルグループの嵐らが出演する予定。初のスポーツ大会は20年1月1日のサッカー天皇杯決勝となる。

 国立競技場は1964年の前回の東京大会で使われた競技場を解体し、デザインの白紙撤回を経て16年12月に着工。今年11月30日に完成した。地上5階地下2階、高さ約47メートル。延べ面積約19万2千平方メートルで、旧競技場の3・7倍だ。木をふんだんに使った「杜(もり)のスタジアム」というコンセプトを掲げ、スタジアムの外周部を360度囲む軒ひさしには、47都道府県の国産の木材を使う。自然の風が流れ込む工夫も施されている。

 競技場や周辺を含めた整備費は1569億円。来夏の大会時は約6万人を収容する。大会終了後には約6万8千席の収容規模となる。(前田大輔)

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 国立競技場の維持費は年間約24億円。運営に公金を投入せずに済むよう、大会後は運営権を民間に売ることになっている。後利用の計画はまだ示されておらず、採算面で不透明な部分が多い。

 もともとは五輪・パラリンピック後、球技専用に改修する方針だった。しかし、改修に100億円以上かかるとの試算が出たうえ、整備費の削減策で冷房や屋根もなく、民間から収益性を疑問視する声が相次いだ。陸上トラックを残した方が改修費がかからず、収益源のコンサートを開くのにも、芝に直接ステージを置かずに済んで都合がいいなどとして、方針を変更し、陸上と球技の兼用とする方向で調整が進んでいる。

 文部科学省は11月、今年までに作るはずだった大会後の運営計画を来秋に先送りすると決めた。警備上の理由で詳細な図面を開示できないことを理由としているが、収支均衡の計画作りが難しいことも背景にあるとみられる。運営業者は計画策定後に公募する。(野村周平)