[PR]

 6月に東京都練馬区の自宅で長男を殺したとして、殺人罪に問われた元農林水産事務次官・熊沢英昭被告(76)の公判が13日、東京地裁であり、検察側は「背景に様々な事情があったとしても、人生を奪う権利はない」と懲役8年を求刑した。弁護側は「長男に献身的に尽くしてきた」と執行猶予を求めて結審。判決は16日に言い渡される。

 熊沢被告は逮捕後の調べで、犯行直前に川崎市で児童ら20人が殺傷された事件に触れて「長男が近所の小学校の運動会の音を聞いて『ぶっ殺す』と言ったのを聞き、長男が危害を加えてはいけないと思った」などと語ったと報じられた。だが、12日の公判では「(容疑者と)息子の境遇が似ており、危惧は覚えた」としつつ、「殺害した直接の原因ではない」と否定した。

 起訴内容は、熊沢被告が6月1日午後3時15分ごろ、自宅1階の和室で、包丁で長男の首や胸を多数回突き刺し、失血死させたというもの。(阿部峻介、北沢拓也)