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 家庭内暴力に追い詰められ、長男を殺害した元農林水産事務次官の被告に懲役6年の判決が言い渡された。法廷では、命を奪われた長男、子どもの側の思いが詳しく語られることはなかった。長くひきこもった経験がある当事者は裁判をどう受け止めたのか。

 中高年ひきこもりの当事者や家族らが集う「ひ老会」を主宰するぼそっと池井多さん(57)は「裁判では被告への同情を誘う証言が多くなされた。しかし、長男は殺されてしまっている。ひきこもり当事者の立場から私は『息子にもさぞかし言い分があったろうに』と思いをはせる」と話す。

 一方で「彼が刑務所に入ったところで、ひきこもりをめぐる社会的状況は少しも良くならず、誰にもプラスにならない」とし、「被告に本来科すべき刑は、懲役刑ではなく、ひきこもり当事者との対話だ」と言う。

 ぼそっとさんは「ひきこもり親子 公開対論」という企画を定期的に開催している。ひきこもりの子を持つ親と、当事者の子どもが対峙(たいじ)し議論する場。実の子、実の親には聞けないことを、他人である当事者同士で話し合い、互いの理解を少しでも深めようという試みだ。そこに登壇者として被告を招きたいという。

 罪を重く受け止めたうえで、かつて行政トップとして振るった手腕を生かしてほしいとも考えている。

 「事件前の被告に近い状況に追い詰められた家庭が、行政の窓口へ相談した時の対応方法について、被告は自らの体験という貴重な情報を持っている。行き詰まり、息子を殺すしか方法はないと考えた時のことを思い出し、逆に行政がどうしてくれれば状況が打開できたかを、相談機関にも助言できるだろう」

■ひきこもりは「困った人」でな…

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