笑わない男が忘れないトライ 花園出場の高校生へエール

有料会員記事

聞き手・大坂尚子
[PR]

 ラグビー・ワールドカップ(W杯)で日本代表が史上初のベスト8入りを果たしてから2カ月あまり。快進撃をみせた代表メンバー31人中17人が、高校時代に大阪・花園ラグビー場で全国の舞台に立った選手だ。「笑わない男」として人気者になった稲垣啓太選手(29)もその一人。新潟工高時代に学んだことや、今に生きていること――。表情豊かに語ってくれた。

 ――「花園」にはどんな思い出がありますか

 3年間一緒にやってきた仲間と、これで最後の試合になるかもしれないという舞台を楽しんでいた。それにプレッシャーを感じていた自分もいた。一発勝負のトーナメントだから後悔をしないこと。身につけた能力、技術を花園の舞台で100%発揮するのは、簡単ではない。そういった訓練、練習を積まないといけない。だからこそ、マインドセット、心の準備という大きな学びを得たかもしれない。

 ――マインドセットってなんですか

 実戦を想定しようと常に心がけていた。まず、状況をしっかり理解するのが大事。自分たちの能力や相手の強み、逆に、相手の弱みに対して自分たちの強みが、どう影響を与えるのかとか。そういった準備をしていれば、試合がより有利に進められたと感じる。

 一発勝負だからどうしても緊張感はある。緊張しない選手もいるけど、心のどこかでプレッシャーは絶対に感じているはず。僕自身、W杯でプレッシャーを感じた。(口から心臓が飛び出すような)ドキドキ感はなかったけど、ぴりっと身が引き締まる雰囲気があった。

 そこで萎縮してしまうのか、プレッシャーを楽しんで先に進むのか。W杯も、花園も、似たような状況。大舞台で、いつも通りにプレーするのはなかなか難しい。このW杯ではプレッシャーを受け入れ、楽しんで、はねのけて、大会中に成長していった日本選手が多かったのでは。高校生もそんな選手が増えてくれればうれしい。

タックル、土台あってこそ…

この記事は有料会員記事です。残り1637文字有料会員になると続きをお読みいただけます。