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 1985年にソ連共産党書記長に就いたゴルバチョフ氏はロシア語で「立て直し」を表す「ペレストロイカ」をスローガンに、市場経済の一部導入や欧米諸国との関係改善を進めた。公開性を意味する「グラスノスチ」も打ち出し、従来は抑え込まれてきた当局への批判報道をある程度容認。停滞する国の現状を知らせることで、国民に危機感を持たせようとした。ゴルバチョフ氏による改革は超大国をどこに導くのか。各国の外交官がソ連の内情を探ろうとした。在ソ連日本大使館の外交官たちも、ソ連人研究者やジャーナリストらとの意見交換の結果などを日本に報告していた。25日に外務省が公開した外交文書で、多くの報告書が公開された。

 その中にペレストロイカに関するジョークがある。

 あるチュクチ族(ソ連極東の民族)が「加速化の時代だ」と一輪車を押して走り回っている。「なぜ空の一輪車か」と聞かれ、彼は答える。「忙しくて荷物を積む暇がないんだよ」

 87年まで在ソ日本大使館でソ連内政・外政の情報収集を担う政務班長だった角崎(つのざき)利夫氏が記した。角崎氏は帰国後、改革について「『空回りしている』というのが適当では」と報告した。

 「レニングラード(現サンクトペテルブルク)のペレストロイカ」と題した文書では改革が「労働者の生活をかけた抵抗にぶつかっている」様子が報告された。ジャガイモ収穫作業の賃金を実績に応じて支払う方式にしたところ、労働者が拒否。元通り、実績に関係なく一定額を支払うようにしたという。87年9月の文書で紹介されたソ連紙の世論調査結果では、ペレストロイカの成果について、68%が「ほとんどみられない」と回答していた。

 一部の党幹部や学者らはペレス…

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