拡大する写真・図版 え・ヨシタケシンスケ 『なんだろう なんだろう』(光村図書出版)から

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 あなた自身の価値が数値化される? そんな超格付け社会の到来が現実味を帯びている。すでにグルメや美容など身近な情報が星印で格付けされ、人々は「いいね!」やフォロワーの数でしのぎを削っている。「格付け社会」の先端を疾走する人、競争からおりてゆっくり歩いている人、それぞれの生き方から見えてくる「景色」とは――。

レンタルなんにもしない人

 「リア恋じゃなくて崇拝、信仰しているんです」「甘え上手なところが最高にかわいい」……。

 昨年11月、東京・秋葉原のファミレス。人気ゲーム「刀剣乱舞」の舞台に出ている最も好きな俳優(推(お)し)について、20代の女性会社員が「『推し』の良さをプレゼンします」と魅力を語り始めた。

 話し相手は、自分自身を派遣するサービス「レンタルなんもしない人」の森本祥司さん(36)。花見の場所取りなど、1人分の存在が必要な場面で使える。2018年から開始。最初は交通費と実費だけもらって無償でサービスを提供していたが、19年9月から1件1万円の報酬をもらい、1日数件の依頼をこなす。

 2時間ほど熱く語る女性に、森本さんは相づちを打つ。疑問も質問も挟まない。女性は「ひたすら好きなことを話して受け止めてもらえるのがメチャメチャ気持ちいい。快感です」。この日は午後3時に集合、「刀剣乱舞2・5Dカフェ」で一服後、ガチャガチャでも遊んだ。別れたのは夜7時半。

 森本さんは大阪大学大学院を修了、会社員生活を4年間送り、脱サラ。人間関係や並行してこなす業務にしんどさを感じた。上司からも「いてもいなくても変わらない」と言われた。「締め切りに追われていたころは景色が灰色だった。今は世界を何のフィルターも通さずに余裕を持って見られる」と話す。自称「スペックゼロ」。存在感に癒やされるのか。テレビにも登場、引っ越しの見送りやピアノ練習の見守りなど受けた依頼は約1700件にのぼる。

 なぜ、競争社会から降りた森本…

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