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 大阪刑務所で受けた血液検査の結果や診療記録などの開示請求を拒まれたのは違法だとして、60代の男性受刑者が国を相手に不開示処分の取り消しを求める訴えを大阪地裁に起こした。18日に第1回口頭弁論があり、国側は請求の棄却を求めて争う姿勢を示した。

 訴状などによると、男性は2010年に恐喝罪などで起訴され、公判中に腎移植手術を受けた。15年、懲役8年の実刑判決が確定。その後、大阪刑務所に収容された。刑務所の医師が腎臓の専門医ではなく、男性は今年4月、外部の医師の診察を受けるため、刑務所で受けた血液検査の結果や処方薬、診療記録などの開示請求をした。ところが、「刑の執行に関する個人情報は開示請求の適用外」とする個人情報保護法を理由に不開示とされた。

 男性側は、同法がこうした個人情報を適用外とする理由は被収容者の社会復帰の妨げになるおそれがあるためだが、今回はそうした弊害は生じないと主張。また、被収容者の処遇の基準を定めた国連の規則では、被収容者が自己の医療情報にアクセスする権利が保障されることは最低基準とされており、不開示処分は違法だと訴えている。

 一方、国側は答弁書で、処遇に関する個人情報を開示対象とすると、収容歴の有無などが他人に明らかになり、「更生保護を図る上で被収容者が不利益になるおそれがある」などと反論。国連規則は「国際慣習法として確立しておらず、日本国内で法的拘束力はない」としている。

 男性の代理人の池田良太弁護士(京都弁護士会)は「専門医に診てもらえなければ、男性の命に関わる問題だ。裁判を機に、多くの人に刑務所での不合理な処遇に目を向けて欲しい」と話す。(米田優人)