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 学校法人明浄(めいじょう)学院(大阪府熊取町)の元理事長らが法人の土地売却をめぐり資金を着服したとされる事件で、買い手の不動産会社(大阪市)から手付金の21億円が法人に振り込まれた当日のうちに、地場不動産大手プレサンスコーポレーション(大阪市)社長の山岸忍容疑者(56)=業務上横領容疑で逮捕=の個人口座に18億円が送金されていたことが捜査関係者への取材でわかった。

 山岸容疑者は共犯とされる元理事長の大橋美枝子容疑者(61)=同=側に18億円を貸していたといい、流用があった当日に不動産会社を通じて返済を受けた形だ。大阪地検特捜部は、大橋容疑者らが山岸社長の資金を利用して法人経営権を握って土地売却を実現させ、手付金を即座に還流させるスキームを構築したとみている。

 特捜部によると、山岸社長や大橋容疑者、不動産会社ピアグレース(大阪市)元社長の山下隆志容疑者(52)=同=ら6人は、法人が所有する明浄学院高校(同市)の土地の半分をピア社に売却する際、ピア社が払った手付金21億円を着服した疑いがある。この土地でマンション開発を計画していたプレ社はピア社から土地を買い取る契約を結んでおり、手付金21億円もプレ社が出していた。

 捜査関係者によると、山岸社長は任意の事情聴取では容疑を否認。プレ社によると、山岸社長は社内の関係者に「取引を円滑に進めるため、個人で貸して返金を受けた」と話していたという。

 捜査関係者によると、ピア社から法人に手付金21億円が振り込まれたのは2017年7月6日。21億円はその日のうちに、共犯とされる池上邦夫容疑者(70)=同=が社長を務める「サン企画」(大阪府吹田市)など二つの口座を経由して、山下容疑者が社長を務める不動産会社ティー・ワイエフ(大阪市)に送金。さらに同日、山岸社長の個人口座にティー社から18億円と利息2200万円余りの入金があったという。

 関係者によると、山岸社長が署名して山下容疑者に渡したとみられる18億円の「受取書」などがあり、特捜部が押収して調べているという。(多鹿ちなみ、細見卓司)

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 プレサンスコーポレーションは17日、山岸忍社長が業務上横領容疑で逮捕されたことを受け、土井豊副社長を代表取締役に追加で選任したと発表した。「(山岸氏の)業務執行が困難な状況のため」としている。

 同社の株価は急落し、この日の終値は前日より400円安い1369円。値幅制限いっぱいまで下がる「ストップ安」となった。