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 途上国で作られた商品を適正な価格で買い、自立を助ける――。そんな「フェアトレード」の発想で、バングラデシュの支援を続けてきた夫婦がいる。現在は東京都中野区に小さな店を構え、伝統の「ノクシカタ刺繡(ししゅう)」をモチーフにした服や雑貨を販売。日本での売り上げは現地の女性たちの貴重な現金収入源となり、生活を支えている。

 馬上美恵子さん(63)と夫の慎司さん(65)は1980年代前半から、青年海外協力隊員として現地に赴任。村の人たちが現金収入を得て生活改善につなげるために、と着目したのが、「ノクシカタ刺繡」だった。技術向上のために首都ダッカで開かれる訓練に、女性たちに参加してもらおうと、不安を抱える夫や父親たちを粘り強く説得し、16人でプロジェクトがスタートした。

 86年の帰国後に2人は結婚し、翌年、団体「ロシュン」を設立。慎司さんは当初、会社勤めをしていたが、活動に専念するため、それから5年ほどで退職した。なじみの薄いバングラデシュについて知ってもらうため料理教室をしながら、少しずつ刺繡の紹介や販売を開始。美恵子さんは現地と行き来しながら、日本の消費者に受け入れられる質の高い商品作りに力を注いできた。「試行錯誤で、お互いに根気と忍耐の連続でした」

 プロジェクトを進めるうち、村…

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