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 トランプ米大統領は17日、自らの「ウクライナ疑惑」に関する書簡をペロシ下院議長に送った。下院が進めてきた弾劾(だんがい)調査について、6ページにわたって「でっち上げ」と非難し、陰謀論を主張するなど、「トランプ節」全開の内容。下院本会議は18日、トランプ氏を権力の乱用と議会の妨害で弾劾訴追する決議案の審議を始めた。決議案は同日中に可決される見通しで、その前に最後の反論となった。

 トランプ氏は書簡の冒頭で、「この弾劾は憲法に反した、民主党議員による権力乱用だ」と主張。「無効な弾劾手続きを進めることによって、あなた方は憲法への忠誠を破り、米国の民主主義に対して宣戦布告を行っている」と記した。

 下院は、トランプ氏がウクライナのゼレンスキー大統領との電話会談で、バイデン前副大統領に関する調査を要求したことなどを権力の乱用と位置づけている。これに対し、トランプ氏は「想像に基づく根拠の無い作り話」と反論。逆に、「自分の息子に何百万ドルも払っている会社を捜査している検察官をクビにするため、バイデン氏が職権と米国の援助を使った」と、持論を展開した。この主張は証拠がなく、ウクライナ側も否定している。

 書簡は、弾劾調査の手続きにも言及。17世紀に米セイラムで、理不尽な証拠をもとに少女ら約20人が死刑となった魔女裁判を引き合いに、「セイラムの魔女裁判の被告の方がまだ、適正手続きを保障されていた」と述べた。

 トランプ氏は末尾で書簡の目的について「私の思いを、永遠に消えない記録として残す目的でしたためた」と記載。「100年後に人々がこの問題を振り返るとき、正しく理解し、それから学び、二度と未来の大統領に起きないように」とした。

 ペロシ氏は書簡について、米メディアに「反応しようがない。馬鹿げている。本当に気分が悪い」と語った。(ワシントン=土佐茂生)