近江牛の牧場代表、4300万円脱税疑い 国税局が告発

大部俊哉
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 近江牛の販売で得た所得の一部を隠し、約4300万円を脱税したとして、大阪国税局が肥育農家「徳田牧場」の徳田重太郎経営者(58)=滋賀県愛荘町=を所得税法違反の疑いで大津地検に告発したことがわかった。重加算税を含む追徴税額は約5800万円。近江牛など和牛はインバウンド訪日外国人客)に人気で近年価格が高騰。牧場は売り上げを伸ばしていた。

 関係者によると、徳田経営者は近江牛の子牛を別の牧場に委託して育て、成牛を市場に販売する事業を経営。2014~16年の3年間、所得の一部しか申告しない「つまみ申告」の手口で約1億2400万円の所得を隠し、約4300万円を脱税した疑いがある。金は預金やえさ代、牛の肥育の委託費用に充てていたという。

 近江牛は松阪牛神戸牛と並ぶ「三大和牛」の一つとされる。滋賀県によると、近江牛の流通拠点の滋賀食肉センターでの枝肉のせり価格は、A5ランクの雌で14~16年にかけて1キロあたり2780円から3349円に上昇。徳田牧場は14~16年に260~280頭の近江牛を所有し、売り上げは年間約1億8100万円から約2億4900万円に増加していた。

 徳田経営者は取材に「大変、反省している。正しい納税を心掛けます」と話した。修正申告と納税はすでに済ませたという。大部俊哉

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