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 外務省が25日に公開した外交文書で、沖縄返還に合意した日米首脳が1969年に発表した共同声明をめぐる、政府と沖縄との詳細なやりとりが明らかになった。基地縮小を求める沖縄と、訴えをかわそうとする政府がすれ違う構図は、50年後のいまと変わらない。

 69年11月21日、佐藤栄作首相とニクソン米大統領は72年に沖縄を「核抜き・本土並み」で返還することや、日米安保条約の自動延長などで合意。共同声明を発表したが、米軍基地の整理縮小には触れなかった。

 7日後の28日、屋良朝苗沖縄行政主席(後の初代沖縄県知事)は愛知揆一(きいち)外相との会談で「共同声明が安保堅持をとなえ、沖縄基地の重要性を認めている以上、沖縄の大規模なかつ密度の高い基地が固定化するのではないか」と発言。「基地の縮小は行われるのか」と問いただした。

 愛知氏は「その可能性は十分ある。軍人はあきらめが早いから思ったよりも早く変わり身を見せるかもしれない」と楽観的な見通しを示した。「お互いにルビコン(川)を渡った。オキナワが県の一つとしてすっぽり本土に入れるよう協力していこう」と呼びかけた。

 「22日降り続く秋雨の中、沖縄100万の県民は平静に受け止めた。日の丸を掲げる家庭も少ない」

 日本政府の岸昌(さかえ)沖縄事務所長は共同声明発表直後の沖縄の反応を、電報で報告した。岸氏は「県民の心には米統治からの解放感のほかに、日本政府への期待と不安、生活の将来についての不安、米軍が残る不安がある」と、返還歓迎の声がある一方で、米軍基地が残ることへの批判が根強いと分析した。

 さらに本土復帰が沖縄で「『第二の琉球処分』視されてはならない」と経済支援の重要性を訴え、「わずかの財政支出を惜しむ余り、そのような批判を醸成するのは愚策だ」と強調。「沖縄を政治的、財政的な『重荷』と受け取るような態度で対沖縄施策を講ずることは沖縄返還の意義を没却することになろう」と指摘した。

 岸氏の指摘通り、72年の本土…

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