[PR]

 2020年東京五輪・パラリンピックの経費について、大会組織委員会と東京都、国は20日、国際オリンピック委員会(IOC)が定める上限いっぱいの総額1兆3500億円とする最新の予算案を公表した。ただ、組織委は台風などの不測の事態に備えた「予備費」として270億円を別に計上しており、これを使うと上限を超える。

 予算案は毎年末に見直しており、今回が第4版で、大会前は最後。総額は3年連続で同じになった。

 開催地が札幌に移ったマラソン・競歩の経費のうち競歩分30億円は東京都ではなく組織委負担としたため、組織委の負担総額は昨年末の6千億円から6030億円になる一方、都は6千億円から5970億円に減った。19日にコースが決まったマラソン分は今後検討する。国は1500億円のままだった。

 組織委と都の経費の内訳では、選手や大会関係者の輸送が昨年末より120億円増の720億円。電源設備などのエネルギー関係も、70億円増の520億円となった。今夏の猛暑を受けた追加の暑さ対策として組織委は今回、30億円をさらに計上。関係者によると、都も同様に30億円を盛る。昨年までに都と組織委は計40億円を計上しており、暑さ対策は総額100億円規模となる。

 東京都は警備費などで計100億円削減。これを原資に台風災害などに向けた「緊急対応費」に充てた。

受け入れ体制を充実

 東京五輪・パラリンピックで多くの観光客が来日するのに備え、空港や駅、観光施設などで外国人や障害のある人をスムーズに受け入れる体制を整える。

 成田、羽田、関西の各空港でチェックインから搭乗までの手続きを顔認証技術で自動化するシステムの導入に15億円程度を計上した。パスポートと搭乗券の情報を顔画像データとひもづけ、手荷物預け入れから保安検査、搭乗ゲートまで「顔パス」で通れるようになる。成田は20年春、羽田は20年夏までに導入予定だ。

 競技会場の最寄り駅を中心にエレベーター設置などのバリアフリー化の補助に55億円を投じる。各地の世界文化遺産や国立公園などの解説文を多言語で表記する支援費には10億円を充てる。

 スポーツ関連予算は過去最高の351億円にのぼる。うち五輪・パラリンピックの選手を支援するための競技力向上事業に101億円を計上した。大会が9月に終わるため19年度から減る可能性もあったが、遠征などを支援するとして1億円の増額になった。これとは別にメダル獲得の可能性が高い競技を対象に、栄養や心理サポート、動作分析などで最終準備を後押しするハイパフォーマンス・サポート事業は、19年度から9億円上積みして22億円を盛り込んだ。(矢島大輔、南日慶子)