渋沢栄一に学び、ドカベンをめざす 栗山監督の経営術
加藤裕則
利益だけを追い求め、グローバルな競争に勝つためには犠牲をいとわない。そんな経済には限界がありそうです。何が必要なのでしょう。世の中のため、人のためを思って進む人たちの志に、ヒントがあるかもしれません。育成に定評のあるプロ野球・北海道日本ハムファイターズの栗山英樹監督に、マネジメント術を聞きました。
――日本の資本主義の父とも言われる渋沢栄一(1840~1931)の談話集「論語と算盤(そろばん)」を、北海道日本ハムファイターズの選手に贈っているそうですね。
「2012年シーズンから指揮を執っていますが、すべての新人選手に手渡しています。渋沢さんが、新しい1万円札の肖像画に決まる前からです」
――狙いは何ですか。
「選手が活躍しても大丈夫なようにするためです」
――と言いますと。
「1軍でレギュラーになると…