拡大する写真・図版 対談後、握手する福岡伸一さん(左)とコラムニストのブレイディみかこさん=2019年11月8日午後、東京都新宿区、仙波理撮影

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福岡伸一さんと多様性語り合う

 最近よく聞く言葉に「多様性」があります。わかったような気でいても、そもそもどんな意味で、何のために必要なのか、と問われると答えに詰まりませんか? 「多様性って何だろう?」をテーマに英国在住のライター、ブレイディみかこさんと生物学者の福岡伸一さんに語り合ってもらいました。

 福岡 ブレイディさんはパンクロックに憧れて高校卒業後に渡英し、低所得者が多い地域で保育士として働かれてきたそうですね。どんなとき多様性の大切さを感じますか。

 ブレイディ 多様性の対極が分断だとよく言われますが、私は多様性と分断は隣り合わせだと思っています。英国でも、宗教やEU(欧州連合)離脱などでは意見が真っ二つに分かれる。でも同じ場にさえいれば、日常的に対立しながらも相手を理解し、落としどころを探る知恵も身についていく。多様性の対極はむしろ、相手を知ろうとしない態度なんですね。

 福岡 それは、移民の姿も知らずに排斥しようとするような態度ということですね。

 ブレイディ そうです。英国ではEU離脱派が多い地域は住民の多様性が乏しく、ロンドンなど移民や外国人が多い都市部では残留派が強い。やはり自分と異なる他者のいる場に身を置くと、身体で理解することがあるんです。逆に、現実の姿を知らないと「生活が厳しくなるのは移民のせいだ」と吹き込まれると、そう信じ込んでしまう。無知が原因で恐怖心がわきあがってくるのですね。

忖度とは違うエンパシー 自発的か利己的か

 福岡 昨夏、出版された「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」は、アイルランド人のパートナーとの間に生まれた息子さんが、英国の中学で多様なルーツを持つ友達との交流や貧富、差別などに直面しながら成長していく話です。その中で「なぜ多様性が大事なのか」と尋ねる息子さんに、ブレイディさんは印象的な返答をします。

 ブレイディ 「うんざりするほ…

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