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 日韓関係が悪化している中、対馬海峡を挟んで向き合う九州・山口と韓国の8首長らが21日、長崎市で恒例の交流会議を開いた。終了後の記者会見では、24日の首脳会談を契機に関係改善が進むことを切望する声が上がった。

 会議は1992年から毎年開かれてきた「日韓海峡沿岸県市道交流知事会議」。元徴用工問題や対韓輸出規制をめぐって日韓関係が悪化し、各地で交流事業の中止や延期が相次ぎ、関係者の中には開催を危ぶむ声もあった。8首長らは両国共通の課題として、若者の雇用政策について約2時間議論。「日韓の政府間関係が難しい状況にあっても、地域間交流を積み重ねていくことが両国の友好関係の基礎となる」などとする共同声明を発表した。

 今夏「日本との交流事業を全面的に見直す」と表明していた釜山市の呉巨敦市長も出席。呉市長は出席したことについて「良くない雰囲気を解消するための動きだ。30分ほど飛行機に乗ってきたが、ソウルに行くのには1時間半かかる。首長が親睦を深め、共通の問題について議論することは切実に必要だ」と述べた。

 呉市長は関係悪化に伴い両国を行き来する観光客が減ったことには「中央政府の葛藤と経済問題を直結してしまったために、国民的な情緒へと向かってしまった」と話し、日本政府の対韓輸出規制を批判。対韓輸出規制緩和の動きがあることや首脳会談に触れて「改善の雰囲気が熟している」と指摘した。

 長崎県の中村法道知事は「お互いに引っ越せない隣国。国家関係も緊張が緩和されることが好ましい」と話した。

 8首長らは22日、長崎原爆資料館などを視察する。慶尚南道の金慶洙知事は「現在も慶尚南道に生存者が約800人いる。被爆者(援護)の問題は、韓国と日本が解決しなければいけない宿題でもある」と述べた。(榎本瑞希)