拡大する写真・図版 自作の絵を手に持つ菴連也さん。満開の桜を描き、春を表現した=2019年11月24日、福井県坂井市春江町江留上錦、大西明梨撮影

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在宅療養支援診療所員・菴(いほり)連也さん

 「こんにちは」

 医師のそばで、往診に緊張する患者に声をかけ、気持ちをほぐす。助手として、往診内容を電子端末に記録するのも仕事の一つだ。

 加齢や本人の意思などにより、自宅などで医療を受ける「在宅医療」の仕事に携わる。在宅療養支援診療所「オレンジホームケアクリニック」(福井市)に所属し、月20軒ほど利用者宅や福祉施設を訪問する。昨年12月には、福井市のグループホームにも定期往診で訪れた。

 19歳だけど、身長は112センチ。「子どもさんかな、かわいらしいね」。クリニックの利用者によく言われるが、「ありがとうございます」と笑顔で返す。

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 出生後、熱や嘔吐(おうと)、関節炎などの症状が出た。頭痛にも苦しみ、手足はパンパンに腫れた。様々な病気を疑われ、入退院を繰り返した。「高IgD症候群」という病気だと分かったのは、8歳の頃だった。

 自己炎症性疾患で、2015年に指定された難病。診断した医師によると、国内で6例目の症例で、同じ患者は少なくとも十数人いるという。炎症を抑えるため、大量に投与したステロイドの副作用などで、背は伸びなかった。

 「小さい頃から病気が生活の一部だった。つらいこともあったけど、しょうがない、という感じ」

 生活の大半を病院で過ごした。心の支えは、絵を描くことだった。

 3歳の頃、病院食の献立表の裏…

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