拡大する写真・図版 利き酒用の猪口(ちょこ)を手にする小関敏彦さん。県酒造会館には、山形県内蔵元の銘柄が並ぶ=2019年12月25日午後、山形市緑町1丁目、西田理人撮影

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 52の蔵元が個性豊かな酒を醸す山形。「十四代」「出羽桜」など全国に知られた銘柄も多く、毎年の全国新酒鑑評会では上位の常連だ。今は「吟醸王国」とも呼ばれる山形だが、かつては「無名の県」だった。

 カプエチ(ppm)10・4、5・5、9・1――。

 グルコース(%)3・0、2・8、2・2――。

 留麴(とめこうじ)40度以上(時間)17・0、13・0、18・5――。

 12月上旬、山形市内であった県酒造組合の講習会。配布資料には、香り成分やこうじの温度管理など、県内蔵元の酒のデータがびっしり。いわば蔵元ごとのレシピだ。

 「金賞を取った県内13蔵の傾向は……」

 県の研究機関、県工業技術センターで醸造部門を統括する石垣浩佳さん(52)の解説に、蔵元の製造技術者ら約30人が聴き入る。

 ブドウの質が重要なワインに比べ、こうじ菌と酵母が同時に働く複雑な工程で醸される日本酒は、醸造技術が出来を左右する。蔵ごとに培ったデータや技術は、財産だ。ライバル同士、ここまで「企業秘密」を明かすのか――。

 だが石垣さんは…

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