拡大する写真・図版 え・ヨシタケシンスケ 『なんだろう なんだろう』(光村図書出版)から

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 タイムマネジメント、スキマ時間の有効活用――。最近、スピードアップや効率化をうたう言葉が、世の中にあふれています。確かに、短時間でおいしいご飯が食べられればうれしいし、ダラダラと時間ばかりかかる会議はお断り。でも、そんなに急いでどこ行くの? ミヒャエル・エンデは書きました。「時間泥棒」にだまされ、時間を節約するほど、人の生活はやせ細っていく――と。2020年の始め、「急がない」人たちに話を聞き、考えました。

達人、3分で手紙

 取材場所の東京都内の喫茶店に着くと、臼井由妃さん(62)は、著書のゲラを校正しつつ開店を待っていた。自宅のある静岡県熱海市から東京まで新幹線で50分弱。「レッスン中の歌を聞きながら、2回ほど目を通しました」

 ビジネス書の執筆や講演で多忙な臼井さんは、こうした「スキマ時間」活用の達人だ。コツはリスト化。3分あれば「一筆箋(せん)で手紙を書く」、5分あれば「漢字や数字のパズルで記憶力チェック」。「時間が空いてから考えたら、それで時間が経ってしまいます」。考え方を著した『やりたいことを全部やる!時間術』(日本経済新聞出版社)は10万部を突破した。

 限られた時間で速く、出来るだけ多くを成し遂げたい――。今、書店のビジネス書の棚には、効率化や時間管理術をうたう本が目白押し。「ながら聞き」に便利なオーディオブックも人気だ。パナソニックが以前、20~50代の男女640人を対象に行った調査では、スキマ時間を「無駄」に過ごしてしまうことが「ある」と答えた人は8割に上った。

 臼井さん自身は、健康器具製造販売会社の社長業と資格試験の勉強の両立に悩み、時間術を意識し始めた。ただ「何でもかんでも『速く』と思わない」。今の空気を「タブレット型端末があれば、どこでも仕事ができるようになった。やらないのは良くない、という強迫観念では」とみる。

映画制作、あえて1人で

 作家ミヒャエル・エンデは『モ…

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