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 東京電力福島第一原発事故後、続けている牛肉の放射性物質検査について、福島県は23日、来年度以降、全頭から抽出へと縮小する方針を示した。同様に検査が義務づけられている岩手、宮城、栃木の3県や、自主的に検査をしている33都道府県でも縮小の動きが出ている。

 福島県が同日、県内の生産者や流通業者らが加わる検討会議で明らかにした。放射線量が比較的高い帰還困難区域を除き、肥育牛の検査は農家ごとに年1頭以上とする。乳を搾り終えた後に食用にする老齢牛は、来年度は全頭検査を続ける。来月に正式決定する方針だ。

 福島と岩手、宮城、栃木の4県では原発事故後の2011年夏、当時の暫定基準値(1キロあたり500ベクレル)を超える牛肉が相次いだ。国は農家ごとに年1頭の検査などを条件に出荷を認めたが、4県ではより厳しい全頭検査を独自に続けている。

 福島県では、全頭検査を始めた11年8月以降、基準値(12年10月から1キロあたり100ベクレル)を超えた牛肉は出ていない。県は「全頭検査でなくても安全性は確保できる」と判断した。

 ただ、県が今年10月に消費者2584人を対象にしたアンケートでは、全頭検査の継続を望む回答が45・9%を占めるなど慎重な世論も根強い。「検査済み商品を信頼する客もまだいる」(流通大手)との声もある。

 農林水産省によると、11年3月以降、全国で基準値を超えたのは159頭。13年4月以降は基準値超えがない。(飯沼優仁、関根慎一)