[PR]

 土石流で崩壊した土砂の量を、衛星画像データなどを使って簡単に短い時間で推計する方法を、広島大学大学院工学研究科の三浦弘之准教授(防災リモートセンシング)の研究グループが開発した。災害後すぐの推計は、自治体が策定する復旧や災害廃棄物処理の計画に生かせるため、迅速な対応が可能になるという。

 三浦准教授によると、崩壊した土砂量は「崩壊範囲の面積」と「浸食の深さ」の平均値(0・78メートル)を掛け合わせて推計できる。一昨年の西日本豪雨後、県が公表した県南部(6市4町)の計測値750万立方メートルに対し、この手法の推計値は735万立方メートルとなり、「高い精度で推定できた」という。

 崩壊範囲はまず、衛星画像で木が倒れるといった植生変化のある場所を確認する。さらに、海外研究者が確立した土石流氾濫(はんらん)シミュレーションを使ってその場所の土砂の崩壊・氾濫(はんらん)範囲を推定し、両者を重ねることで範囲を確定する。

 浸食の深さの平均値0・78メートルは、2014年の広島土砂災害の被害場所約150カ所と、西日本豪雨の約500カ所(広島市など2市2町)の過去の航空レーザー測量データを分析。各地点の崩壊土砂量を、崩壊面積で割った数値だ。

 ただ、この推計法は他県での適用などに課題が残る。三浦准教授は「災害直後に役立つ情報として提供できるよう考えた。土砂災害警戒区域の検証などにも使えれば」と話している。(北村浩貴)