山健組組長を殺人未遂罪などで起訴 弘道会系組員を銃撃
指定暴力団山口組の中核組織「弘道会」の神戸市内にある施設前で8月、弘道会系組員(51)が銃撃された事件で、神戸地検は25日、対立する指定暴力団神戸山口組の中核組織「山健組」組長、中田浩司容疑者(60)を殺人未遂と銃刀法違反の罪で神戸地裁に起訴した。捜査関係者によると黙秘しているという。
起訴状によると、中田容疑者は8月21日午後6時15分ごろ、神戸市中央区熊内町9丁目の弘道会の施設前で、軽乗用車の運転席にいた弘道会系組員に向かって拳銃で実弾6発を発砲、うち5発を腹や肩に命中させ、殺害しようとしたとされる。組員は6カ月の重傷を負った。捜査関係者によると、バイクで逃走する姿を映した防犯カメラなどから、中田容疑者を実行役として特定したという。
中田容疑者は上部団体の神戸山口組でも幹部ポストの若頭代行に就き、神戸山口組の次期組長候補の一人と目されていた。その中田容疑者が起訴され、勾留が長期化する見通しとなったことについて、捜査関係者は「組長の長期不在は、神戸山口組にとって大打撃になる」とみる。
5代目山口組トップの渡辺芳則組長(故人)は山健組出身で、分裂前の山口組内で山健組は最大勢力の時期もあった。その後、山口組トップの座には名古屋を拠点とする弘道会出身の篠田建市組長が就き、山健組など組運営に反発したグループが神戸山口組を結成した。ある捜査関係者は「跡目争いや混乱で山健組や神戸山口組は瓦解(がかい)していく可能性がある」と話す。
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