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 大阪府枚方市の住宅街。母屋の裏に回ると、機織り機のような機械に真っ白なそうめんが張られ、風に揺れていた。近づくと、小麦の香りが漂う。「天日に干すことで、他には出せないコシのある麺になります」。藤井繁雄さん(51)はそう語る。

 生まれ育った津田地区では江戸時代から、農閑期の副業としてそうめん作りが盛んだった。ほとんどが手作業で作られる「河内そうめん」はその品質の高さから、京都の料亭が買い付けにくるほどだったという。しかし、戦後50軒ほどあった作り手は専業農家の減少とともに減り、2012年に最後の1軒が作るのをやめた。

 明治時代から続く米穀店の5代目。軒先でそうめんを乾かす光景は冬の風物詩だった。物心ついたときから食べ親しんだ河内そうめんは実家の店頭にも並んでいたが、店を継いで数年すると、その数は減っていた。仕入れ先から「後継者がいない」と聞き、神社仏閣巡りが趣味で歴史好きの血が騒いだ。「それなら自分が伝統を継ごう」と弟子入りした。

 そうめん作りは丸2日かかる。…

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