拡大する写真・図版「SBIメディック」のガラス張りの点滴ルーム。東京駅を発着する列車を眺めながら、過ごすことができる=2019年12月18日、東京・丸の内、越田省吾撮影

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 ガラス張りの「点滴ルーム」。眼下を新幹線が行き交い、視線を上げれば、日比谷や有楽町の街並みが望める。

 東京駅から徒歩数分の一等地にそびえる「パシフィックセンチュリープレイス丸の内」9階に、「SBIメディック」はある。ソフトバンクで孫正義氏の側近だった北尾吉孝氏率いるネット金融大手、SBIホールディングス傘下の会員制組織。富裕層に「健康管理支援サービス」を11年前から提供する。

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 2日間で29種100項目以上を検査する「総合人間ドック・スーパープレミアム」に加え、同じフロアのクリニックと提携し、しみとりや疲労回復の点滴なども受けられる。健康保険は適用されないサービスだ。

拡大する写真・図版旅客機のファーストクラスにも似た間取りの「リカバリールーム」。下剤を飲んだ受診者は、ひとつ百万円のシートで休みながら大腸検査に備える=2019年12月10日、東京・丸の内の「SBIメディック」、越田省吾撮影

 入会金は150万円(資格期間15年)、さらに毎年の会費が50万円。どんな人が利用するのか。

 昨年末に取材で会った会員の中野了さん(88)は、絵に描いたような品の良い老紳士だった。「今月は、クリスマスや忘年会と称する会合が9回あるんです。毎日、楽しいですよ」。前日のパーティーでは500人を前にマイクを握り、合唱のリーダーを務めたという。声楽が若いころからの趣味なのだ。

 父親が創業した化粧品会社のトップを長く務めた。経営の一線を退いた今も、ライオンズクラブなどの活動で忙しい。健康の秘訣(ひけつ)は、毎日やることがあり、生活のリズムを変えないことだという。「ここに入れて安心感があります。私は本当に恵まれている。経済的にも、人の縁にもね」

拡大する写真・図版会員向けのラウンジ。広々とした空間で医師の説明を聞くことができる=2019年12月10日、東京・丸の内の「SBIメディック」、越田省吾撮影

 759人いる会員は、中小企業の経営者やその家族が多い。平均年齢は58歳。「病気を未然に防いで健康長寿になるだけでなく、SBIグループの金融サービスからノウハウや知恵を吸収して資産長者も実現し、100歳を超えても充実した人生を送っていただきたい」と広報担当者は言う。

 ここで会員の健康管理を担う「東京国際クリニック」の高橋通院長(51)にも会った。こちらの頭の中を見透かしたかのようにこう話した。「楽だと思ったら大間違いですよ」

拡大する写真・図版東京国際クリニックの高橋通院長=2019年12月10日、東京・丸の内、越田省吾撮影

 全会員が年1回受ける人間ドックでは、「3分の2の人に異常が見つかる」。会員は健康の知識が豊富で、質問も鋭い。

 「金持ちの相手しかしていないイメージがあるでしょう」。高橋さんが続けて切り出したのは意外な話だった。人間ドックの結果を伝える準備で連日夜遅くまで働きながら、週に1日、進行がん、末期がん患者の訪問診療を手伝っているというのだ。

老後を家族ばかりには頼れない。政府も財政難で心もとない。貧富が命の格差に直結しかねない時代。「健康長寿」をどう支えるのか。

 公営住宅や生活保護を受ける人…

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