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 政府は27日、中東海域への自衛隊派遣を閣議決定した。日本関係船舶の安全確保のための情報収集を目的として、来年2月上旬にも護衛艦1隻を派遣する方針だ。派遣の目的や自衛隊員の安全確保など、懸念を解消するための議論が尽くされないまま、政府は派遣に踏み切った。

 中東ホルムズ海峡周辺では、米国がイラン産原油の全面禁輸措置を始めた今年5月以降、石油タンカーなどが攻撃を受ける事案が続発した。米国は7月、船舶の安全を確保するためとして、「有志連合」構想・海洋安全保障イニシアチブへの参加を日本にも要請。日本政府は米国の要請を踏まえつつ友好関係にあるイランに配慮するため、米主導の枠組みとは異なる、独自の派遣を決めた。

 政府は同日午前、国家安全保障会議(NSC)の9大臣会合で派遣方針を確認した上で閣議決定した。これを受け、河野太郎防衛相は同日、自衛隊に対して準備指示を出した。

 閣議決定では、活動の「歯止め」として、派遣期限を1年間と区切り、延長の際は再度閣議決定した上で国会に活動内容を報告することを盛り込んだ。情報収集に使える哨戒ヘリを搭載している護衛艦「たかなみ」と、海賊対処のためソマリア沖に派遣中のP3C哨戒機を充て、隊員約260人が活動する。P3C哨戒機は、来年1月中に活動を始める方向だ。

 自衛隊が活動する海域は、「オマーン湾」や「アラビア海北部」「バブルマンデブ海峡東側のアデン湾」の3海域の公海。政府は、不測の事態などが生じれば、日本関係船舶を防護できる海上警備行動へ切り替えるとしている。イランへの配慮などから、ホルムズ海峡やペルシャ湾は活動海域から外した。一方、米主導の「有志連合」には加わらないが、米軍との情報共有は進めていく考えだ。

 今回の派遣をめぐっては、与党内からも懸念の声が上がっていた。

 政府は防衛省設置法に基づく「調査・研究」を派遣の法的な根拠としている。ただ、「調査・研究」名目での活動では、人に危害を与える可能性のある武器使用は「正当防衛」と「緊急避難」に限られるなど、専守防衛を定めた憲法との関係で活動に制約が多い。

 また、訓練期間が限られており、不測の事案への対応を不安視する声が自衛隊内部にある。さらに、米国と情報共有することで「事実上の一体化」とみなされ、隊員の危険性が増す可能性もある。

 菅義偉官房長官は27日午前の…

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