拡大する写真・図版司葉子さんの自宅地下の書庫。中には司さんが表紙を飾る雑誌もあった=2019年12月26日、恵原弘太郎撮影

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 積み上がった本や書類は、天井にまで届きそうだった。12列の移動式書架にも入りきらない資料の山は、大蔵省の報告書や自民党の封筒に洋書、半世紀前の新聞の束も。俳優の司葉子さんは「もう、途方に暮れているんです」という。

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戦争を後世に語り継ぐ手引きとなる資料や蔵書や遺稿。それらが埋もれ、消えつつある。映画「この世界の片隅に」の片渕須直監督は危機感を抱いています。
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故人の蔵書、どうすれば。俳優の司葉子さんもそんな悩みを抱える一人。大蔵事務次官や衆院議員を務めた亡き夫、相沢英之さんの思い出を聞きました。

 自宅の地下室を埋めるのは、4月に99歳で亡くなった夫の相沢英之さんが集めた資料だ。戦後に大蔵事務次官や衆院議員を務めたが、戦中に大蔵省に入り、陸軍主計少尉として従軍や抑留も経験した。

 「集めてきた本人の思いを無駄にしたくないのですけど、何が重要なのか、私にはわからないし、整理をしようにも、くたびれてしまって」。行く当ては、決まっていない。

拡大する写真・図版司葉子さんの自宅。新築時に夫の相沢英之さんのたっての希望で地下に書庫をつくったという=2019年12月26日、恵原弘太郎撮影

 この中に、なにか大事なことが書かれた資料があるのではないか。司さんの話を聞きながらそう思ったのは、実際に「宝」が埋もれていた話を知ったからだ。

 「資料が残っていたおかげです」と経済思想史が専門の牧野邦昭・摂南大准教授(42)はいった。大阪の自宅でパソコンに向かっていた2014年夏の夜、思わず「えーっ!」と大声を出した。古書サイトで売られていたのは「英米合作経済抗戦力調査(其(その)二)」。1万8千円だった。

 開戦前に陸軍の通称「秋丸機関…

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