大学入学共通テストで導入が見送られた国語と数学の記述式問題について、文部科学省が、非公開の有識者会議で検討を始めた2016年当初から、短期間に厳正な採点ができるか懸念していたことが、公表された議事概要などから明らかになった。文科省は抜本的な解決策を打ち出せないまま導入を進め、土壇場での見送りにつながった。

 記述式の最大の課題は、約50万人分にもなる答案を短期間に誰がどうやって採点するかだった。16年7月に開かれた2回目の「検討・準備グループ」で、文科省がまず提案したのは「12月実施案」だった。

 大学入試センター試験と同じ1月中旬に実施した場合、約2週間後に控える各大学の個別試験への出願に間に合わせるため、記述式は国語・数学とも1問ずつ、国語の解答は40字程度になると分析。一方、実施を12月に前倒しすれば、国語では40~80字程度を書かせる問題を最大4問出題できると利点を説明した。

 ただ、12月実施の場合、「授業の過密化など高校の教育活動に影響が及ぶ」とも指摘した。この案に高校側の委員が猛反発した。全国高校長協会の宮本久也会長(当時)は、「センター試験の日程は、大学入試と高校教育への影響とのギリギリの日程で、あそこ(1月中旬)に置いた。1カ月も早めることは、到底考えられない」。埼玉県教育委員会の関根郁夫教育長(同)も同調した。

 実施時期を早める代わりに、各大学に採点を委ね、負担を分散する案も示した。だが、「(同じ解答なのに)大学ごとに点数が違えば批判される」「教員への負担を増やしたくない」などと大学側の支持を得られなかった。センターの常勤職員は100人弱しかおらず、採点の民間業者への委託が事実上決まった。

 課題の解決を棚上げしたまま、文科省は17年5月、新テスト実施方針案を発表。1月中旬に実施▽国語と数学に3問ずつ出題▽国語に80~120字程度で答える問題を入れる▽記述式の採点は民間業者に委託する、といった方針を示した。

 記述式を増やしたのは、学習指…

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