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 社員が未払い残業代などをさかのぼって会社に請求できる期間(時効)は過去2年分までとする労働基準法の規定について、厚生労働省は27日、「当面3年」に改める方針を決めた。来年4月施行の改正民法で、お金をさかのぼって請求できる期間が「原則5年」になるのに合わせて「5年」とすることを検討したが、企業の負担が増すと主張する経営側に配慮した。

 労使代表や有識者で構成される厚労相の諮問機関・労働政策審議会の分科会が大筋で了承した。厚労省は年明けの通常国会に労基法改正案を出し、改正民法と同時の施行をめざす。来年4月以降に支払われる賃金から適用される。

 1896年制定の現行の民法は未払い賃金の請求期間が1年と短く、働き手の保護が不十分だとして、民法に優先するルールとして1947年制定の労基法では2年と定めた。今回、改正民法が未払い賃金の請求期間を5年にしたことで労基法の規定の方が短くなるため、5年への延長を検討していた。

 労働側が5年を求めたのに対し、経営側は2年の維持を主張した。保存する記録が増えることなどを理由に挙げるが、未払い賃金は1人でも発覚すれば全社員に支払うことにもつながる。5年分となると金額が一気に膨らむとの懸念も背景にある。

 労使が譲らないなか、労基法も原則は5年としつつも「当分の間は3年」とする折衷案が示され、労使双方が受け入れた。いつから5年にするかは施行5年後に改めて検討するといい、判断が先送りされた。経営側が反対すれば、3年というルールが将来も続く可能性がある。