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 8月末の大雨で佐賀県内に大きな被害をもたらした六角川水系の治水対策について、国は予算を優先的に配分する河川激甚災害対策特別緊急事業(激特事業)に採択した。2024年度までの約5年間で集中的に整備する方針で、総事業費は約418億円にのぼる。

 激特事業は大災害が発生した河川について、国の予算額を優先的に配分し、再発防止に向けた工事にあてる制度。六角川水系の採択は1980年(総事業費約137億円)、90年(同約363億円)に続いて3度目。国と県が共同で行い、事業費の内訳は国が約369億円、県が約49億円。

 8月の大雨で氾濫(はんらん)した牛津川では、小城市小城町に遊水地を新設する。予定地は県道と牛津川に挟まれた約80ヘクタールの農地で、規模は牟田辺遊水地(多久市南多久町)の約2倍になる。県道沿いの約100戸の住宅は、移転やかさ上げが必要となる可能性があり、今後住民と相談しながら進めるとしている。

 浸水被害の大きかった武雄市では、武雄川と広田川で排水ポンプを増強・新設する。また今回の大雨では川の水位が上がり、ポンプが稼働できなかったケースもあったため、川底を削って水位を下げる河道掘削も実施する。対象は六角川、牛津川の計約15キロにわたる。

 事業は、国や県、流域の自治体などでつくる協議会がとりまとめた「緊急治水対策プロジェクト」のうち、河川対策部分にあたる。ほかに、流域のため池や農業用クリークを活用して浸水被害を軽減することや、住民が自宅の浸水リスクを把握し、かさ上げなどの対策をとることなどが必要と指摘。今後、市町が国や県と連携し、取り組みを進めるとしている。(福井万穂)