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連載「共生とは やまゆり園事件から」:2

 やまゆり園事件の植松聖被告はかつて、障害者を介助する仕事をしていた。そのこともまた、社会に大きな衝撃を与えた。障害者と介助者の関係はどうあるべきなのか。ヒントを探しに、独自の試みを進める札幌市を訪れた。

 札幌市の渡辺賢治さん(29)の右手が引きつるように動き、タオルを握りしめた。意図せず起こる筋肉の収縮だ。介助者が2人がかりで体をさする。「賢治君、眠そうだね」。その一人、大関望さん(49)が声をかけた。賢治さんから返事はない。

 賢治さんはムコ多糖症Ⅱ型(ハンター症候群)という難病が原因で、言語によるコミュニケーションがとれない。たんの除去など24時間の介助が必要だ。一軒家に高齢の祖父母と3人で暮らす。賢治さんの生活を支えるのは、パーソナルアシスタンス(PA)制度の介助者だ。国の制度とは別に、札幌市が2010年度から独自に導入している。

 重度の障害者が介助者を自ら選び、事業者を通さず直接契約できる。介助費の利用者負担は原則1割で、残りは市が負担する。これまで「ケアの対象」とされてきた障害者が主体となり、居心地の良い生活をつくっていく。欧米で発展した理念を採り入れた制度だ。

 母親の美津子さん(57)は賢治さんの病名が判明した6歳のころから約20年、かかりきりで介助してきた。夜間の介助は引き受け手が少なく、施設などを通じて週2、3回頼むのがやっとだった。それ以外の日は美津子さんが夜通し介助をしていた。賢治さんと相性がいいと感じる人がいても、事業者の都合で代えられてしまうことも悩みだった。

 PA制度ができると、友人や知人をたどり、介助者を探した。自身が介助できなくなった後も考え、賢治さんが自立できるようにとの思いからだ。態勢が整った5年前、賢治さんと別居した。

 介助者の大関さんが賢治さんの…

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