ドイツの世界的テノール歌手として知られたペーター・シュライヤーさんが25日、故郷の独東部ドレスデンで死去した。84歳だった。ドイツなどのメディアが伝えた。

 少年時代に名門の聖十字架合唱団に加わり、その後ドレスデン国立歌劇場で歌った。モーツァルトの「後宮からの誘拐」「魔笛」などのオペラで名声を得たほか、バッハの「マタイ受難曲」の福音史家が当たり役と言われ、宗教曲にも定評があった。旧東ドイツ時代から、ウィーンの国立歌劇場など世界中の著名歌劇場や音楽祭から招かれて歌唱を披露。ベルリン国立歌劇場公演などで来日もたびたびし、主要キャストを務めた。70年代からは、指揮者としても活動した。

 2000年にオペラから引退し、05年には歌手生活を終えると宣言。日本各地でお別れ公演を開いた。今年秋の叙勲で、音楽を通じて日本とドイツの友好親善に寄与したとして、旭日小綬章を受章していた。(吉武祐=ウィーン、吉田純子)