植松被告、起訴内容認める 法廷で不規則行動、一時休廷

有料記事やまゆり園事件

神宮司実玲 山下寛久
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 相模原市緑区の障害者施設「津久井やまゆり園」で2016年7月、入所者ら45人を殺傷したとして殺人罪などに問われた元職員、植松聖(さとし)被告(29)の裁判員裁判の初公判が8日、横浜地裁(青沼潔裁判長)で始まった。植松被告は罪状認否で起訴内容に間違いがないか問われ、「ありません」と述べた。その後、植松被告は不規則な行動をし、いったん休廷となった。

 刑務官に付き添われた植松被告は入廷すると、深々と頭を下げた。黒色のスーツに紺色のネクタイ姿。事件当時は金色の短髪だったが、長く伸びて後ろで束ねていた。人定質問では「植松聖です」とはきはきとした声で答えた。起訴内容が読み上げられると、背筋を伸ばして聞いていた。

 罪状認否が終わった後、弁護側が再び被告の発言を求め、被告は証言台に戻った。被告は「皆さんに深くおわびします」と述べた後、首付近を両手で押さえるようなしぐさをして前かがみになったため、4人の刑務官が「やめなさい」と大声で制止。廷内は騒然となり、青沼裁判長が「休廷します」と告げた。午後1時20分過ぎ、被告の姿がないまま、審理が再開された。

 弁護側は罪状認否で、「植松被告は精神障害の影響で、刑事責任能力が失われていたか著しく弱くなっていた」と述べた。心神喪失か心神耗弱の状態にあったとして、無罪もしくは刑の減軽が相当とした。

 裁判では裁判員が刑事責任の有無や程度をどのように判断するのかが、最大の争点となる。

 横浜地検は、起訴前に被告の精神鑑定を実施し、「自己愛性など複合的パーソナリティー障害」との診断結果を得た。障害は物事の善悪を判断する能力などには影響を与えておらず、刑事責任を問えると判断して地検は起訴した。横浜地裁による起訴後の精神鑑定でも、ほぼ同様の結果が出たとされる。

 被告は大麻を常用していたとされ、事件の5カ月前の措置入院時には「大麻使用による精神及び行動の障害」との診断を受けた。また、入院の直前には事件を予告するかのような内容をつづり、「障害者総勢470名を抹殺することができます」などと記した手紙を衆院議長公邸に持参していた。

 こうした被告の行動を踏まえ、動機が論理だっているか、計画性があるかなどの検討が、刑事責任能力を評価するうえでの焦点となる。

 被告は「障害者はいなくなればいい」と逮捕直後から一貫して主張しており、裁判では量刑を決めるほかに、差別意識を募らせた経緯や背景の解明がどこまで進むのかも注目される。判決は3月16日に言い渡される予定。(神宮司実玲、山下寛久)

■植松聖被告が問われている六…

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