[PR]

 桜花学園が72―67で、連覇を狙った岐阜女子を破り、3年ぶりの優勝で幕を閉じたバスケットボールの第72回全国高校選手権(ウインターカップ=日本バスケットボール協会、朝日新聞社など主催)。最後までもつれた試合展開の中、勝利を呼び込んだのは、平下愛佳選手と岡本美優選手の両3年生の果敢な「攻め」だった。

 「3年生がいないチーム」

 井上真一監督は大会前、今年の桜花学園をそう評していた。先発メンバー5人の中で、3年生は平下、岡本の両選手だけ。平下選手は主将だが、「リーダーシップが足りない」と常々、井上監督から指摘されていた。

 「初めての決勝で硬くなっていた」と平下選手が分析するように、この日は岐阜女子に先行を許す苦しい立ち上がり。「落ち着け。走って攻めろ」と井上監督が指示を出すと、岡本選手が体を張ったインサイドプレーで反撃。ゴール下に、守りが寄るとみるや平下選手が3点シュートを決め、流れをつかんで逆転した。

 後半も開始直後に岐阜女子に逆転を許す苦しい展開に。ここで、平下選手がワン・オン・ワンを仕掛けて相手のファウルを誘い、相手のミスを逃さずに速攻を仕掛けた。ボールを奪われることをおそれず、果敢に攻めて再び逆転した。

 最後も残り36秒で2点差まで追い上げられたが、ゴールに向かう姿勢を崩さなかった平下選手がフリースローを決めて、振り切った。司令塔の江村優有選手(2年)は、「3年生が苦しい時に決めてくれた。本当に頼りになると思った」とたたえた。

 平下、岡本両選手にとっては夢にまで見たウインターカップの決勝。札幌出身の岡本選手は、「この舞台に立つために桜花に来た。去年は自分たちのせいで負けたような大会だった。今年は絶対に優勝するという強い気持ちで、厳しい練習をやってきた」

 大会直前はチームの状態が悪く、深夜、日付が変わるまで選手同士で、厳しく意見をぶつけ合って改善点を話し合うこともあったという。勝利の立役者となった平下選手は試合後、仲間たちに向かってこう言った。

 「キャプテンとして足りないところばかりだったけど、いい思い出ができました。ありがとうございました」。

 試合中、厳しく仲間を鼓舞してきた主将は最後、優しい笑顔を見せて感謝の念を示すことを忘れなかった。(佐々木洋輔)