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 中国で集団発生し、感染が中国国外に広がっている新型コロナウイルスについて、世界保健機関(WHO、本部スイス・ジュネーブ)は30日に専門家委員会による緊急会合を開き、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言した。

 緊急事態は、感染が国境を越えて広がり、感染拡大防止に国際的な対応が必要な場合に、専門家委の判断を踏まえWHOの事務局長が宣言する。緊急事態宣言は、アフリカのコンゴ民主共和国で発生したエボラ出血熱について昨年7月に出されて以来、6例目。

 30日夜(日本時間31日未明)に記者会見したテドロス・アダノム事務局長は、中国国外での感染例や、感染が確認された国が増えていると指摘。「中国国内ではなく、国外の状況を見て判断した」と宣言した理由について述べた。一方、人の移動や貿易の制限は、WHOとして勧告はしないとしている。

 新型肺炎をめぐっては、専門家委が22、23日に緊急会合を開いて緊急事態にあたるか検討。この時点では「中国国外でのヒトからヒトへの感染が確認されておらず、時期尚早だ」として、宣言を見送った。だがその後、日本やベトナムでヒトからヒトへの感染が確認されるなど、中国国外での感染が急速に広がったため、再度緊急会合を開いた。(ジュネーブ=河原田慎一)

これまでに出された世界保健機関(WHO)の緊急事態宣言

2009年4月 新型インフルエンザの大流行

      メキシコ・米国から世界に拡大(10年8月に解除)

 14年5月 ポリオのアジア、中東、アフリカでの流行

      主に小児が感染(継続中)

 14年8月 エボラ出血熱の西アフリカでの流行

      コウモリからヒトに感染の可能性。致死率が高い(16年3月に解除)

 16年2月 ジカ熱の中南米での拡大

      蚊の媒介で感染。母子感染で新生児に小頭症の可能性(16年11月に解除)

 19年7月 エボラ出血熱のアフリカ中部での流行

      コンゴ民主共和国を中心に感染拡大(継続中)

 20年1月 新型コロナウイルスの流行

      中国から感染拡大