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 ローマにあるサンタチェチーリア国立音楽院が「東洋人の学生に対するレッスンを中止する」と発表し、波紋を呼んでいる。同音楽院は、中国を中心に拡大する新型コロナウイルスによる肺炎への感染予防が目的としているが、教員や学生から批判の声が上がっている。

 伊レプブリカ紙によると、ロベルト・ジュリアーニ院長の署名入りのニュースレターが教員向けに送られたという。新型ウイルスの感染拡大を受け、「2月5日に当院の医師が診察し、再登校を認めるまで、すべての東洋人(中国人、韓国人、日本人など)のレッスンを中止し、病欠扱いとする」と書いている。

 ジュリアーニ院長は、伊メディアに対し「中国人学生を守るためで、中国大使館とも連絡を取り合っている」と釈明。だが教員からは「差別や恐怖心を広める、信じられない判断だ」との声が出ているという。

 同院は朝日新聞の取材に対し、この内容のニュースレターを出したことは認めたが、「コメントできない」としている。同院に通う日本人学生によると、29日にSNSを通じて担当教員から「2月5日まで通学を辞退して」と連絡が来たという。この学生は「感染を予防する意図は分かるが、東洋人だけでなく全員が診察を受けるべきだ。中国人学生は『差別だ』と、とても怒っていた」と話した。(ジュネーブ=河原田慎一)