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 日本を離れ、レバノンに逃亡した日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告(65)。首都ベイルートの中心部で1日、道行く人々に今回の逃亡をどう思うかを尋ねた。ゴーン前会長はレバノンで「日産を立て直したヒーロー」「巨万の富を築いた成功者」として国民的な人気を誇る。だが、市民からは「もう大統領になることはないでしょう」という声も聞かれた。

 レバノンでは昨年10月以降、政府の腐敗体質の一掃を訴える抗議デモが国内各地で断続的に続いている。抗議デモの開催場所の一つであるベイルートの繁華街近くで、会社員のカップルに声をかけた。女性のレザンさん(25)は「ゴーンはもう大統領になることはないでしょう。国民を代表する立場に立てないから」と突き放したが、男性のムハンマドさん(39)は「ゴーンが我々の誇りであることに変わりはない。裁判はレバノンで受けさせるべきだ」と主張した。

 また、IT会社員のニコラスさん(33)は「ゴーンは日本で有罪判決が出ていないにもかかわらず、長く拘束されていた。司法では『推定無罪』が原則のはず。おかしいと思う」と語り、日本の司法制度への不信感を強調した。その上で「ゴーンは国民的なスターだ。レバノン国民は彼を守る」と語った。(ベイルート=其山史晃、北川学)