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 米軍に殺害されたイランの精鋭部隊・革命防衛隊のソレイマニ司令官(62)は、近隣国で自国の「代理勢力」の支援に深く関わっていた。かつては戦争をした間柄である隣国イラクでも、イランと同じイスラム教シーア派の武装組織を支え、その後のイランの影響力拡大につなげていた。

 革命防衛隊は、イランのイスラム体制護持のほかに対外工作や情報活動も担う。対外活動の大きな役割の一つが、近隣国での親イラン勢力の育成や支援とされる。レバノンのシーア派組織ヒズボラはその代表格だ。シリア内戦でも、イランが支援するアサド政権側に立ち、ヒズボラなどの戦闘員が戦っている。

 こうした「代理勢力」を媒介に、中東を東西にまたいで鮮明になってきたイランの影響圏は「シーア派の三日月」と称される。

 1980~88年にイラン・イラク戦争をした宿敵イラクもその一つ。同国でイランが影響力を特に強めるきっかけになったのは、2014年にイラクで「国家」樹立を宣言した過激派組織「イスラム国」(IS)の存在だ。

 03年のイラク戦争でサダム・フセイン政権が倒れた後、シーア派が主導する政権が続くイラクでは、ISの進撃を前にシーア派最高権威シスターニ師が「武器を取り、治安部隊に参加せよ」という宗教見解を出した。

 この呼びかけに応じた市民や民兵などで構成されたのが、シーア派を中心とする武装組織「人民動員隊」(PMF)。創設時から、イランが武器や物資の供給、訓練、作戦指導まで全面的な支援を担った。

 一昨年のイラク国民議会選では、IS撃退の功績を背景にPMFに近い政党が躍進。ソレイマニ司令官も、イラクでシーア派勢力の結集を狙って選挙に介入したとみられている。

 「シーア派の同胞や聖地を守る…

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