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 米コンサルティング会社ユーラシアグループは6日、2020年の「世界のリスク」トップ10を発表した。1位には「米大統領選」がランキング。政府や議会、司法への信頼が揺らぐなか、選挙結果が有権者に受け入れられず混乱する可能性を指摘した。

 リーダーなき世界を「Gゼロ時代」と名付けて注目された国際政治学者イアン・ブレマー氏が社長を務める同社は、年初にその年の世界政治や経済に深刻な影響を及ぼしそうな事象を予測している。米国内政を1位にあげるのは初めてという。

 ブレマー氏はトランプ米大統領の弾劾(だんがい)やロシアなどによる選挙干渉の可能性をあげ、「多くの人が『不正を仕組まれた』と感じる前代未聞の選挙になる」と懸念。トランプ氏の勝敗にかかわらず訴訟が起こされ、政治的空白が生まれる恐れがあるとして、その状況を「米国版ブレグジット」と評した。

 2位と3位には、米中経済の分離(デカップリング)の拡大と、米中対立の激化をあげた。先進国で分断が進む現状や気候変動とともに、「数十年間、グローバル化が機会を生み出し、貧困を減らし、平和をもたらしてきたが、2020年は国際政治の転換点になる」としている。

 昨年1月に発表した19年の10大リスクでは、米欧政治の混迷化や米中対立をあげていた。(ワシントン=香取啓介)

ユーラシアグループが予測する2020年世界の10大リスク

1 米大統領選

 →結果を不当として受け入れられず混乱も

2 米中のデカップリング(分離)

 →テクノロジーから経済や文化に波及か

3 米中関係

 →香港、台湾、ウイグル、南シナ海問題などで対立

4 多国籍企業への過剰な期待

 →気候変動や貧困、自由貿易への貢献に疑問符

5 モディ首相の下で変わるインド

 →改正国籍法などで全土にデモが拡大

6 米中と摩擦を抱える欧州

 →安全保障や通商などを巡り米中と対立する可能性

7 気候変動

 →対策が進まない中、市民、投資家の圧力が化石燃料企業に向かう

8 リスク増す中東情勢

 →米政策の失敗でイラン、イラク、シリアの不安定化

9 ラテンアメリカ諸国で不満噴出

 →低成長、汚職、低品質の公共サービスに怒り

10 トルコの動き

 →エルドアン大統領に内外から批判が集まる

※同社の報告書から