「アイム オキナワン」 海外で芽生えた意識、胸張って
伊藤喜之
〈私は○○人〉イギリス 比嘉華奈子さん
英ロンドン、大英博物館にほど近い文教地区。ロンドン大学東洋アフリカ研究学院に留学している比嘉華奈子さん(23)は今、学士論文の準備で毎日のように図書館に通う日々だ。題名は、もう決めてある。
《沖縄には、どれほど主権があるのか》
沖縄県浦添市出身。転機の一つは高校1年のころ。友達と遊んだ帰り道、突然、車が横付けし、ドアが開いた。「車に乗れ!」。中にいた米兵数人が大声で叫んだ。「連れ去られる」。強い恐怖を感じた直後、米軍関係者の別の車が通りかかり、米兵らを制止した。間一髪だった、と今でも思う。それ以来考えるようになった。「なぜ沖縄に米軍基地が集中しているのか」
英国の大学には多様なルーツの学生が集まる。かつて琉球王国だった沖縄が日本に併合された歴史を話すと、共感してくれる学生が多くいた。
ウェールズ出身の友人は、英国の同化政策でウェールズ語を話すと「Welsh not(ウェールズ語禁止)」と書かれた木札を首にかけられた歴史を教えてくれた。調べると、フランスにも同じ「方言札」が存在し、それを明治政府が沖縄などでの日本語教育で模倣したらしいとわかった。
「中央政府がマージナル(周辺)の人びとを同化させる手口は一緒なんだ」
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