[PR]

 1月24日で任期満了を迎え、退任するNHKの上田良一会長が9日、最後の定例記者会見を開いた。次期会長を決めた昨年12月の経営委員会では、上田氏の手腕について、コストの見直しが不十分だとする指摘があったが、上田氏はコストの点について経営委から直接の指摘を受けたことはないとした上で、受信料の支払率を上げたり、受信料値下げを実行したりしてきたと強調し、「私としては、できる限りぎりぎりのことはやってきた」と語った。

 一方で自身が会長職の続投を希望していたかどうかについては、「経営委員会が判断すること」と述べるにとどめ、明らかにしなかった。

 2018年にはかんぽ生命の不正販売問題を報じた「クローズアップ現代+」にからみ、日本郵政の抗議に沿う形で経営委から厳重注意を受け、ガバナンスの徹底を求められた。ガバナンスの問題は経営委が会長交代を決めた理由としても挙げられた。

 この日の会見で上田氏は、「現場が十分対応し、すべて終わったものと理解していた」などと、郵政側への対応に問題はなかったとする従来の見解を改めて示しつつ、日本郵政に会長名の文書を出す異例の対応をとったのは、「経営委員会からの厳重注意は重く受け止めざるをえない」ためだったと改めて述べた。

 1月25日にはみずほフィナンシャルグループ元会長の前田晃伸氏が会長に就任する。(真野啓太)