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 「老後レス時代」という言葉からすぐに頭に浮かんだのは、かつてソウルに駐在した韓国の風景だった。社会保障の支えは心もとなく、多くの高齢者が働き続ける。平均寿命が延びて社会は高齢化する一方、急速に少子化も進む。「どう長く生き、どう支えるか」。日本にとっての大きな問いは、お隣でも当てはまる。

 ソウルに飛んだ。

 中心部の明洞(ミョンドン)からもほど近い、街中の一角へ向かった。地下鉄の駅を出て、周囲に家具店や印刷会社などが並ぶ道を歩く。ほどなく、めざす古い建物が見えてきた。

 急な階段を上がった先に事務所がある。書類や電子機器などの宅配サービスを手がける「シルバークイック」社だ。「シルバー」というだけあり、働くのはもっぱら、ソウル市内や近郊に暮らす高齢者たちだ。

 訪ねたのは金曜日の午前中。電話が次々と鳴っていた。「はい、ありがとうございます。どこからどこまでですか」。社長の裵基根(ペ・ギグン)さん(69)も自ら応対している。

 裵社長の呼びかけに、事務所で待機中の男性(70)がすぐ立ち上がった。目的地のソウル近郊・光明(クァンミョン)までの配達を指示するメモを受け取り、リュックを背負う。「名刺を届けてきます」。すぐ近くにある印刷会社で配達する名刺を受け取り、向かったのは近くにある地下鉄の駅だった。

拡大する写真・図版地下鉄宅配で働き始めた男性(左端)。高齢者の貴重な働く場にもなっている=ソウル、稲田清英撮影

 韓国では老人福祉法に基づいて…

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