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 カジノを含む統合型リゾート(IR)事業をめぐる汚職事件で、東京地検特捜部は14日、衆院議員の秋元司容疑者(48)=自民党を離党=が中国企業「500ドットコム」側から講演料や旅費の名目で計約350万円の賄賂を受け取ったとして、収賄容疑で再逮捕した。最初の逮捕容疑と合わせた賄賂の総額は720万円超となった。

 弁護人によると、秋元議員は、「賄賂は受け取っていない」「旅費は支払われていると認識していた」と容疑を否認している。

 発表などによると、秋元議員は2017年8月4日、「500」社が那覇市で開いたIR誘致のシンポジウムで講演。翌月上旬、同社が沖縄や北海道でのIR事業で便宜を図ってもらいたいとの趣旨を知りながら講演料名目で200万円を受け取った疑いがある。

 「500」社側はシンポの際、秋元議員が3日後に内閣府副大臣に就くと知り、50万円の予定だった講演料を4倍に増額。秋元議員の元私設秘書が代表を務める都内の芸能会社「ATエンタープライズ」の口座に振り込まれたという。

 また、秋元議員は同年12月下旬、広東省・深圳にある「500」社の本社への視察旅行の招待を受け、航空運賃や宿泊費など計約150万円相当を負担させた疑いがある。この旅行では同社が準備したプライベートジェットが使われ、同省に隣接するマカオのカジノも視察したという。

 特捜部はこれらの賄賂を提供したとして同社顧問の紺野昌彦(48)ら3容疑者も贈賄容疑で再逮捕した。

 特捜部は14日、収賄罪で秋元議員を起訴。秋元議員と共謀したとして、豊嶋晃弘・元政策秘書(41)=東京都中央区=も同罪で在宅起訴した。「500」社側の3人を贈賄罪で起訴し、札幌市の観光会社「加森観光」の加森公人会長(76)も同罪で在宅起訴した。

 起訴内容によると、秋元議員は豊嶋元秘書と共謀し、17年9月28日、衆院議員会館の事務所で現金300万円を受け取ったほか、18年2月10日から13日までの北海道留寿都(るすつ)村への家族旅行の費用計約76万円を負担させたとされる。加森観光は「500」社と同村でIR事業を計画しており、加森会長が旅費の一部を負担していたという。

 「500」社の鄭希(37)、紺野両容疑者は、秋元議員に300万円を渡す前日、中国から現金計1500万円を不正に日本に持ち込んだとして、外国為替及び外国貿易法違反の罪でも起訴された。特捜部はこの現金を原資として政界工作が行われたとみている。