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 昨年11月に広島を訪れたローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇に、原爆孤児となった自らの体験記を手渡した女性がいる。「山口カルメル会修道院」(山口市)のシスター、長(ちょう)康子さん(89)。詳しい話を聞きたくなり、山口へ向かった。

 カトリックの中でも厳しい戒律を持つというカルメル会の観想修道院で、社会との往来を制限されながら、祈りと労働に身を捧げて暮らしている。朝5時に起き、朝食まで祈る。自分たちが育てた農作物で食事を作る。「私は枯れ葉を拾うのよ。コンポストに入れて堆肥(たいひ)にする。あと、みんなの制服を縫う」

 教会の面会室で対面した。禁域と外との間を隔てる格子つきのテーブルで向かい合わせに座り、格子を開けて話を聞いた。耳が遠い長さんのために、高園泰子シスター(74)がメモボードを持って同席し、筆談してくれた。

 「広島には、家族を失いに行っ…

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